日報は「業務の記録」「進捗管理」「課題共有」を目的としていますが、手動での作成や提出は手間が多く、現場の負担になりがちです。日報を自動化することで、入力・集計・共有にかかる無駄な作業を大幅に削減し、より価値の高い業務に時間を使えるようになります。

あなたが解決したい課題に合わせて、最適な自動化方法を提案します。どこを自動化したいかを選んで、詳細を確認してみましょう。

そもそも日報ってなんのためにやるの?という方はこちらをお読みください。

※ 【結論】日報の自動化は「日報アプリ」が最も効果的です。

最初に結論ですが、日報の入力・集計・共有・承認をすべて自動化したい場合、基本的に最も効率的で確実なのは日報アプリの導入です。フォーム・Excel・AI・RPAでも部分的な自動化はできますが、全体のフローを一気に改善できるのが専用アプリです。

ただし、企業や業務内容によってはその他の最適方法もあります。ここでは、日報をどこまで自動化できるのかを段階別に解説し、最後におすすめの日報アプリ比較を紹介します。

日報自動化の重要性とメリット

日報を自動化することで、日々の運用がどれだけ楽になるのかを、まずは全体像から整理してみます。

日報自動化で何が変わるのか(現場の変化)

日々の入力作業が軽くなることで、現場の負担がどれほど減るのかを具体的に見ていきます。

  • 作業時間の削減:手入力や集計の時間が減り、1人あたり1日5〜10分の時短が可能。
  • ミス・抜け漏れの防止:フォーマット統一や選択式入力で、記入漏れや誤記を防止。
  • リアルタイム提出:スマホや音声入力によって、移動中でもすぐに日報が提出可能。
  • 負担の軽減:文章を書く手間が減り、日報作成のストレスが大幅に軽くなる。

自動化で生まれる運用改善(管理側の変化)

データが自動で揃うことで、管理・判断・共有のスピードが一気に向上します。

  • 会議や管理作業の短縮:集計済みデータが揃うため、状況確認が一気に効率化。
  • 早期の問題発見:日報データが更新され次第、遅延や課題の兆候をすぐ把握できる。
  • 判断の質が向上:可視化されたデータをもとに、根拠あるマネジメントが可能に。
  • 提出率と運用の安定:負担が軽くなることで日報が継続しやすくなり、形骸化を防げる。

日報自動化は、単に作業を減らすだけでなく、組織全体の情報品質を高め、プロジェクト管理・意思決定・働きやすさを底上げする重要な仕組みです。

1. 日報の入力作業の自動化

日報を手入力で行う場合、作業量が多く、記入ミスや漏れも発生しやすくなります。 自動記録や選択式の入力を使うと、入力作業そのものが少なくなります。

自動化したい具体ポイント:

  • 毎日の同じ作業内容を手入力したくない
  • 一日の終わりに文章を書くのがつらい
  • 時間や行動記録の入力を自動化したい
  • 項目の記入漏れをなくしたい
  • スマホで一瞬で書けるようにしたい

まずは、簡単に入力できるツールを活用することが重要です。無料で導入できるツールから、現場作業が多い場合に便利なアプリまで、様々な方法を使うことで、日報作成の時間と労力を大幅に軽減できます。

Googleフォームを使った日報作成

GoogleフォームとGoogleスプレッドシートを組み合わせることで、無料で簡単に日報を自動収集できます。これにより、日報の集計も自動化され、手入力の手間が省けます。

実践方法:

  1. Googleフォームの作成
    Googleフォームを使って、日報に必要な質問項目を設定します。例えば、業務内容、作業時間、進捗状況などを入力項目として追加します。Googleフォームで新しいフォームを作成するには、こちらからアクセスしてください。
  2. 質問項目の設定
    日報に必要な項目を追加します。
    • 業務内容(自由記述)
    • 作業時間(選択式)
    • 進捗状況(ドロップダウンメニューまたはチェックボックス)
    • その他のコメント(自由記述)

    できるだけドロップダウンチェックボックスを多く使い、自由記述を避けることでデータを構造化します。これにより、後で集計や分析が簡単になります。

  3. Googleスプレッドシートとの連携
    フォームに入力されたデータは自動的にGoogleスプレッドシートに集計されます。
    Googleフォームの設定で、回答をスプレッドシートに自動で保存するオプションを有効にします。
  4. リアルタイムでの進捗確認
    スプレッドシートで集計されたデータは、管理者がリアルタイムで進捗状況を把握するために利用できます。
    例えば、スプレッドシートでグラフやピボットテーブルを使い、日報データを視覚化できます。

メリット:

  • スマートフォンからでも簡単に入力:外出先でも、スマートフォンから簡単に日報を提出できます。Googleフォームはモバイルに対応しており、どこからでもリアルタイムで提出が可能です。
  • 自動集計と進捗把握:Googleスプレッドシートでデータを自動集計し、管理者は常に最新の進捗を把握できます。これにより、手作業での集計ミスや手間が省けます。
  • データ分析やレポート作成が容易:集計されたデータを基に、簡単に分析やレポートを作成でき、日報の内容をもとに効率的なフィードバックが行えます。

日報ツール・アプリの活用

現場での作業が多い場合、専用の日報ツールや日報アプリを使うと便利です。これらのシステムは、移動中や作業後にすぐに日報を入力できるように設計されています。

実践方法:日報ツールや日報アプリに登録し、作業後や移動中にアプリを使って日報を入力します。アプリでは、業務内容や進捗状況をテンプレートに沿って入力でき、情報の管理もスムーズになります。

メリット:これにより、現場スタッフは事務所に戻ることなく、移動中にリアルタイムで日報を入力でき、手間やミスが減ります。また、テンプレート機能や承認フローが備わっているため、報告業務が効率化され、承認作業も簡便になります。

関連:日報・週報ツール完全ガイド|活きた情報とラクな管理で報告が変わる、経営者のための効率化術

音声入力での迅速な日報作成

音声入力機能を活用することで、手を使わずに日報を作成できます。特に移動中や手が塞がっている場合、音声入力を使うことでスピーディーに日報を作成できます。

実践方法:

  1. スマートフォンの音声入力機能を使用
    どのようなシステムを使用していても、iPhoneやAndroidのキーボードにデフォルトで搭載されている音声入力機能を使えば、スマホで日報の内容を簡単に入力できます。キーボードのマイクアイコンをタップして、音声で内容を話すだけです。
  2. 音声入力専用ツールを使う(オプション)
    より精度を上げたい場合や、業務用の高精度な音声入力を求める場合は、専用の音声入力ツールを使うことをおすすめします。例えば、以下のツールを活用できます:

    • Notta:日本語に特化した高精度音声認識サービスで、リアルタイム文字起こしも可能です。
    • Rimo Voice:会議やミーティングの音声をテキスト化するために使われる日本語対応のツール。

メリット:

  • 両手が塞がっていても入力可能:音声入力を使えば、両手を使うことなく簡単に日報を作成できます。移動中や現場作業中でも、声だけで入力が完了します。
  • 効率的な入力:手書きやタイピングよりも圧倒的に速く、スムーズに日報を作成できます。特に忙しい時や時間がない場合に有効です。
  • 移動中でもリアルタイムで入力:スマートフォンさえあれば、現場や移動中でも日報の作成が可能です。外出先でも簡単に報告ができ、業務が効率化します。

AIプロンプトを使った日報文章の自動生成

生成AIを活用すると、日報文章の作成が大幅に効率化されます。AIプロンプトを使用すれば、箇条書きで入力した業務内容が自動的に質の高い報告書に変換されます。

実践方法:例えば、AIツール(例:ChatGPTやGemini)に「今日の業務内容(箇条書き)」を入力し、AIがそれを報告書形式に変換します。テンプレートを使って、日々の報告書作成が簡単になります。特にGemやGPTのカスタム指示などは毎回プロンプトを1から作る必要もなくチームで使い回すことで、いつも質の高い出力を出せます。

メリット:これにより、報告の質が均一化され、社員の文章力に依存せず、高品質な報告書が作成できます。管理職は、すぐに内容を理解し、効率的にフィードバックを行うことができます。

RPAで入力を自動化する

日報の目的が「数字や事実データを正確に集める」ことにある場合、RPA(Robotic Process Automation)の活用が特に効果的です。人が入力する前提をなくし、すでに存在するデータを自動で集めて整理することができます。例えば、次のような目的の場合はRPAが最適です。

  • 毎日決まった数値を報告したい場合
    売上・勤怠・在庫・工数など、他システムで管理しているデータを自動で取得し、日報用の情報として整理できます。
  • 複数システムからデータを集める必要がある場合
    営業管理・勤怠管理・生産管理・Excelなど、バラバラのデータをRPAが自動で集めてまとめます。
  • 日々の転記作業をなくしたい場合
    毎日繰り返している「数字を見て書き写す」作業をRPAが代行し、入力作業そのものを不要にします。

このように、日報が「数字を集めること」が中心であれば、RPAによる入力自動化が大きな効果を発揮します。人が入力する必要がなくなるため、作業時間がゼロになり、ミスも発生しません。

2. 日報の集計作業の自動化

日報の集計に手間がかかり、誤った集計が行われることがあります。集計作業を自動化することで、作業時間を短縮するだけでなくミスを減らすことにつながります。

自動化したい具体ポイント:

  • 日報の集計
  • 日別・週別・月別レポート作成
  • メンバーの稼働率の自動算出
  • プロジェクト別工数集計
  • グラフやレポートの自動化
  • 課題抽出(コメント分析)

Googleシート + Google Looker Studio

Googleシートには集計機能やグラフ作成機能が備わっており、日報データを自動で集計することができます。ピボットテーブルや集計関数(例:SUM、AVERAGE)を使うことで、簡単にデータを集計し、視覚的にグラフやレポートを作成できます。

さらにGoogle Looker Studioを使うと、日報データをダッシュボード化し、リアルタイムで進捗確認を行うことができます。複数のデータソースを統合し、視覚的にわかりやすいレポートを作成することができます。

日報アプリ・日報システムの活用

日報専用のアプリやシステムを使って、日報の集計作業を自動化する方法を紹介します。専用の日報アプリには、日報の入力後、自動的に集計される機能が搭載されているものもあります。これにより、手動で集計を行う必要がなくなり、日報の進捗や問題点が瞬時に把握できます。

日報アプリによっては、自動で週次や月次レポートを生成する機能もあります。日報の内容を基に、どのメンバーがどのくらいの作業時間を費やしたか、どのプロジェクトでどれだけの進捗があったかをグラフや表で確認できます。

関連:日報管理ソフトとは?基本機能・導入のメリットとデメリット・失敗しない選び方を解説

Excelでのシンプルな日報集計

他に、Excelの基本機能だけでできるシンプルな集計方法もあります。

① 日報を一覧表にまとめる

1行=1日報の形式にすると、後からの集計が簡単になります。

日付 氏名 プロジェクト 作業時間(h)
2025/01/10 佐藤 A案件 3
2025/01/10 田中 B案件 1

② SUMIFSでメンバー別・案件別の自動集計

関数 SUMIFS を使うと、条件ごとの合計時間を自動で集計できます。

例:佐藤さんの総作業時間

=SUMIFS(D:D, B:B, "佐藤")

例:A案件の総作業時間

=SUMIFS(D:D, C:C, "A案件")

③ ピボットテーブルで一瞬レポート化

ピボットテーブルを使うと、ドラッグ&ドロップだけで集計表が作成できます。

  • 行:氏名
  • 列:日付 または 月
  • 値:作業時間(合計)

④ グラフで視覚的に確認

作成した集計表を元に、棒グラフ・折れ線グラフを作れば、日別・メンバー別の稼働状況がひと目で把握できます。

この方法のメリット

  • 新しいツール不要で、Excelだけで完結できる
  • 関数とピボットテーブルで短時間&正確に集計できる
  • 日別・週別・月別レポートをすぐに作成できる

3. 日報の承認・提出フローと情報共有の自動化

日報提出や承認が手動で行われるため、遅延やミスが発生することがあります。

自動化したい具体ポイント:

  • 日報の提出漏れをなくしたい
  • 提出状況を毎回確認する手間を減らしたい
  • 承認依頼を自動で通知したい
  • 承認後の共有(チーム・管理職)を自動化したい
  • 提出後に関係者へ自動でアラートを送りたい

承認フローの自動化を実現するためには、以下のツールや方法を活用することが有効です。まずは手軽にできる方法から、さらに高度な自動化を目指す手段まで順を追って紹介します。

日報機能付きのグループウェアを使う

グループウェアに備わっている日報機能やワークフロー機能を使うことで、提出から承認、共有までを一つの仕組みで管理できます。すでに社内で利用しているツールがあれば、新たにシステムを増やす必要がなく、導入や運用の負担が小さいのが特徴です。

実践方法:

  • サイボウズ Office、LINE WORKS、kintone などのグループウェアで日報アプリやワークフローを作成する
  • 承認者を設定し、提出時に自動で承認ルートに回るようにする
  • 承認状況に応じて、関係者に自動通知(チャット・メール)を送る
  • 承認後は部署やチームの共有スペースに自動で反映する

メリット:

  • 日報の提出・承認・共有を一つのツールで完結できる
  • 既存の社内ツールを活用できるため、導入のハードルが低い
  • 承認待ちや提出漏れが可視化され、運用が安定しやすい
  • 他機能(勤怠・スケジュール・チャット)との連携がしやすい

Slackリマインダーで日報提出を促進

日報提出を忘れがちなチームメンバーに対して、Slackを使ったリマインダー機能を活用することが効果的です。リマインダーを自動送信することで、提出漏れを防ぎ、チーム全体で進捗を把握することができます。

実践方法:Slackのリマインダー機能を使って、日報提出の期限が近づいたタイミングで自動通知を送信します。これにより、社員は締め切りを忘れることなく日報を提出できます。

メリット:自動通知により、手動でのリマインド作業が省け、日報提出の漏れが防止されます。チーム全体が提出状況をリアルタイムで把握できるため、管理者の負担も軽減されます。

Googleフォーム×Googleシートの自動承認フロー

Googleフォームで提出された日報をGoogleシートに自動的に反映し、承認フローを効率化できます。Googleシートに入力された情報をもとに、管理者に承認依頼を自動で送ることができます。

実践方法:Googleフォームで日報が提出されると、Googleシートに自動でデータが集約され、Google Apps Scriptを使って、提出後に自動で承認依頼を管理者に送信します。これにより、手動での承認依頼を省略できます。

メリット:GoogleフォームとGoogleシートの連携で、提出から承認までのフローが自動化され、ミスや手間が大幅に削減されます。また、データはリアルタイムで更新され、管理者はすぐに状況を把握できます。

まとめ

日報の「入力・集計・共有・承認」をそれぞれ個別に自動化することもできますが、すべてを一気に効率化したい場合は、日報アプリを導入するのが最も効果的です。

GoogleフォームやExcel、AI、RPAなどは部分的な自動化には有効ですが、現場の入力から、管理者の承認、レポートまでを一つの仕組みで完結できるのは日報アプリだけです。特に「現場が毎日迷わず使えるか」「運用が続くかどうか」が成果を分けるポイントになります。

最後に、代表的な日報アプリを比較できるように一覧にまとめました。自社の業種や規模、重視したいポイントに合わせて検討してみてください。

主要な日報アプリの比較

アプリ名 主な特徴 向いているケース 料金目安
日報アプリ シンプル操作・コメント/いいね機能・Googleカレンダー連携・集計機能付き ITが苦手な現場でも使いやすく、まずは「確実に定着させたい」企業 月額220円/ID(税込)
gamba!(ガンバ) 日報を通じたコミュニケーションとKPI管理に強い 日報を情報共有だけでなく「社内の一体感づくり」にも活かしたい企業 月額1,078円/ID(年額契約:898円/ID)
kintone(キントーン) 日報だけでなく案件管理や勤怠などもノーコードで構築できる業務プラットフォーム 日報に限らず、社内システム全体をカスタマイズして統合管理したい企業 スタンダードコース 月額1,800円/ID(10ユーザー〜)
LINE WORKS ビジネスチャット+ノート機能などで日報運用が可能 日常のコミュニケーション基盤としてLINEに近いUIを使いたい企業 フリープランあり/有償プランは月額450円/ID〜(年払い)
nanoty(ナノティ) 業務内容と時間を可視化し、生産性分析・残業削減に強い老舗の日報システム 活動量の数値管理や、長期的な働き方の見直しに日報を活用したい企業 月額12,000円〜(SMALLプラン/10ユーザー程度)
未来日報 営業活動と顧客情報の一元管理、スケジュール連動に強い営業支援型日報 営業チームの顧客対応履歴や次回アクションを、日報を通じて管理したい企業 月額6,000円(1〜20ID)

まとめると:

  • 部分的な自動化だけなら、フォーム・Excel・AI・RPAでも十分なケースがある
  • 入力〜承認〜集計〜共有までを一気に自動化したいなら、日報アプリが最も再現性が高い
  • その中でも、「現場が迷わず続けられるシンプルさ」と「コストバランス」を重視するなら、当社の「日報アプリ」が有力な選択肢になる

自社にとって何を一番優先したいのか(現場の使いやすさ、コミュニケーション、カスタマイズ性、コストなど)を整理したうえで、最適な日報アプリを選んでみてください。

まずは当社の「日報アプリ」を詳しく見る・無料トライアルを申し込む →